2010年10月9日土曜日

文化不況

ある人にスタイルが備わっていますと、例えば、アンティークのテーブルを骨董屋で買ったら、つぎはそれに似合うテーブルウェアを揃えたくなる、またそれに相応しいケーキやデザートを準備するようになる、というように消費の連鎖が始まるのですが、スタイルがない消費者は、そういった買い方をしません。アンティークが好きな人は、ただひたすらアンティークを買い込むことに気が回ってしまい、その他の要素については、まるで無頓着なのです。

生活においてスタイルを決定する重要な要素である「教養」は、社会においてとても低く見られてしまうようになりました。とくにいま大学に来ている学生たちの教養というものに対する見方は、簡単にいえば「何の役に立つのか分からない勉強」程度のものです。そこに「一点豪華主義」なる考え方が唱道されますと、とてもちぐはぐな消費行動が発生してしまうわけです。