2010年10月19日火曜日

グーグルの海賊版対策

9月、全米レコード協会(RIAA)と国際レコード産業連盟(IFPI)という2つの音楽業界団体の幹部が、Googleに対し、海賊版をより効率的に見つけ出すのに役立つ手段を提供できるかと尋ねた。一般的に、海賊版へのリンクを見つけてGoogleに報告する責任は、著作権所有者が負っている。Googleはそのリンクを速やかに削除するよう法律によって求められている。

しかし、Googleの返答に一部のレーベルは眉をひそめた。

GoogleのマネージャーJames Pond氏は、米国時間9月20日付の手紙の中で、Googleは有料であれば喜んで手助けすると書いたという。この手紙を見たある関係者が話した。

Pond氏の手紙には、Googleは音楽業界の要請について「ウェブ検索API製品を運用している」チームと議論した結果、サードパーティーが同APIにアクセスするために3つの選択肢を提供することにしたと書かれている。第1の選択肢は、検索結果とともにGoogleの広告を表示するようなサードパーティーのサービスのために作られている。第2の選択肢は開発者のためのもので、ごく少数の検索しか含まれない。

第3の選択肢は、「Site Search」と呼ばれる有料の製品だとPond氏は書いている。この手紙を見た情報筋によれば、同氏の手紙には、「IFPIやRIAAがGoogleのウェブ検索APIにアクセスするための唯一の選択肢は、第3の選択肢だ」と書かれているという。

「わたしの理解では、われわれは1000クエリ当たり5ドルの標準料金を課す。このサービスの提供にかかるコストを回収するための課金だ」(Pond氏)

(中略)

独立系映画制作者のEllen Seidler氏は9月、米CNETに対し、「わたしの観点から言えばGoogleは盗品を売買している」と述べた。Seidler氏は、自身の低予算映画「And Then Came Lola」がオンラインで違法に配信されるという海賊行為によって、金銭的な損害を受けたと言う。「このような(海賊)サイトは、サイトにトラフィックを呼び込みたいと思っており、そのために海賊版の映画を利用している。そして、サイト上の広告に対して、Googleなどから支払いを受けている。われわれがすべきことは、Googleに対し、海賊行為による映画制作者の被害を防ぐことにもっと気を配るよう強いることだ」(Seidler氏)

(中略)

Googleの支持者は、ウェブの治安を維持する責任を負うのは著作権保持者だと言う。Googleの批判者は、誰がウェブをパトロールしているかにかかわらずGoogleが海賊行為から利益を得ているのだから、誰がパトロールしようと関係ないと主張する。音楽業界の一部の企業は、コンテンツ制作者が海賊版を見つけるためにGoogleに課金されることで、Googleから身を守るためにGoogleに支払いをさせられていると感じている。

米国作曲家組合(Songwriters Guild of America)プレジデントのRick Carnes氏は「Googleはこのような海賊サイトからの広告で金銭を得ている。そして今や、制作者が海賊版を削除する方法を見つけることを手助けして金銭を得ようとしている。誰もがインターネットを自由でオープンにしようと言い続けているが、公平で公正なインターネットにするというのはどうだろうか」と述べる。

グーグルの海賊版対策—娯楽業界の不満と米政府の動き - CNET Japan
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