2010年11月8日月曜日

尖閣映像流出:海保が告発 サイト記録差し押さえへ

2010年11月8日 11時41分 更新:11月8日 12時26分

 ビデオ映像流出事件で最高検は8日、福岡高検を主体とした捜査チームを発足させ、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で捜査を始めるよう指示したと発表した。海保の告発も同高検で受理し、海保側から内部調査の状況を聞き取るほか、流出映像が投稿されたサイトの記録を差し押さえる手続きを進める。また、最高検と那覇地検は同日、検察内部からデータが流出した形跡は認められなかったと発表した。

 動画投稿サイト「ユーチューブ」に流出した映像は、石垣海上保安部(沖縄県石垣市)が那覇地検に提出した十数本の映像資料の一つとされ、検察当局は、真相究明のため海保からの流出の有無を捜査することが不可欠と判断。最高検の勝丸充啓公安部長は「広範囲のサイバー犯罪であり、証拠保全のために早期に着手する必要がある」と語った。

 捜査チームには福岡高検幹部や東京高検管内の検事を投入、東京と沖縄に常駐し、当面は海保側の調査と並行する形で情報流出や投稿の経緯の解明を進める。検察関係者によると、福岡高検は既にサイトを運営するグーグル側に投稿者に関する記録を照会した。グーグル側が記録の任意提出は困難との立場を示したため、裁判所の令状を取って記録を差し押さえるとみられる。

 今後の捜査結果によっては、海保側のパソコンや資料を差し押さえて分析したり、警察当局に協力を要請することも検討するという。

 また、流出映像について那覇地検の鈴木亨次席検事は「地検で保管している映像と若干の違いがあるが、ほぼ同一のものと判断している」と述べた。事件で使われたパソコンの使用状況を調べたうえ、担当者数十人から事情聴取をした結果、不正はなかったと判断したという。

毎日jp
【鈴木一生、野口由紀、井本義親、佐藤敬一】
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