2011年4月21日木曜日

福島産コウナゴ出荷停止 魚介類初、摂取制限も

 政府は20日、食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出された福島県産のコウナゴについて、出荷停止と摂取制限を指示した。魚介類で出荷停止などが発動されたのは初めて。福島第1原発事故を受け、漁業団体は漁を自粛しており、コウナゴ漁は行われていない。
 県によると、18日にいわき市沖で採取した2検体のうちの1検体から、1キロ当たり3900ベクレルの放射性のヨウ素と1万4400ベクレルのセシウムが検出された。基準値はヨウ素が2000ベクレル、セシウムが500ベクレル。
 いわき市沖では、13日にも1万2000ベクレルのヨウ素と1万2500ベクレルのセシウムが検出されていた。県は13日、コウナゴの摂取を控えるよう呼び掛けていた。
 県水産課によると、2010年に県内の港に水揚げされたコウナゴは1862トン(8億9300万円)。
 県農林水産部の鈴木義仁部長は「出漁体制が徐々に整いつつある中、高濃度の放射性物質が検出されたことは非常に残念。魚は回遊するので、今後の解除についてはより慎重に判断していくべき」と話した。
 福島県漁連の新妻芳弘専務は「予想されていたとはいえ、大変困った事態だ。食の安全性という点では、漁を行っていないので安心だが、コウナゴは5月いっぱいがシーズン。3回続けて暫定基準値を下回れば制限が解除される農産物のように、魚介類についても解除基準を示してもらわないと漁再開のめどが立たない」と話している。

2011年04月21日木曜日