2011年5月7日土曜日

菅首相、浜岡原発全原子炉の運転停止を要請

(読売新聞 - 05月06日 19:13)

 菅首相は6日夜、首相官邸で記者会見し、中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)のすべての原子炉の運転停止を、海江田経済産業相を通じて中部電力に要請したと発表した。

 理由として、静岡県を中心とする東海地震の発生確率が高いとされる中、防波壁の設置など津波対策強化の必要性を指摘した上で、「国民の安全と安心を考えた。重大な事故が発生した場合の日本社会全体の甚大な影響もあわせて考慮した」と説明した。

 浜岡原発は、4、5号機が稼働中。点検のため運転を停止中の3号機は、東日本大震災の影響で運転再開を延期していた。1、2号機は運転を終了している。経済産業省原子力安全・保安院は6日、浜岡原発の防波壁など津波対策の実現には2~3年かかるとの見通しを示した。

 首相は、浜岡原発が東海地震の震源域内にあることを指摘した上で、「文部科学省の地震調査研究推進本部の評価によれば、30年以内にマグニチュード8程度の想定東海地震が発生する可能性は87%と極めて切迫している。防潮堤の設置など、中長期の対策を確実に実施することが必要だ」と語った。

 中部電力への停止要請については「指示、命令という形は現在の法律制度では決まっていない。中電に理解してもらえるよう説得していきたい」と語った。