2011年5月26日木曜日

板橋区が6月中旬、区立学校の放射線量計測へ 23区では初

***産経新聞(2011/05/25)****

2011.5.25 21:29

 東京都板橋区は25日、東京電力福島第1原子力発電所の事故に伴い区内に飛散している放射線量を正確に計測するため6月中旬、区立学校の校庭土壌の放射線量を測定する方針を明らかにした。東京都では、新宿区の都健康安全研究センターが大気中の放射線量を観測しているが、板橋区によると、23区の自治体が独自に区立学校の放射線量を計測するケースは初。

 大気中の放射線量などについて、都健康安全研究センターは「現時点においては健康に影響を与える数値ではない」としている。しかし、区は放射線に関連して健康被害などを心配する声が相次いでいることから、計測を決めた。

 区によると、計測対象の学校は未定で、区立小・中学校のうち、どこか1カ所を検討中。計測方法は、対象となる学校の校庭土壌とプールの水をサンプル採取して計測業者に提出する。区立保育園の園庭土壌のほか、区立公園の土壌や砂場、池などについての計測も検討中という。

 大気中の放射線量測定のため、持ち運び式の放射線量測定器を5月中に2台購入し、区役所周辺で計測することも考えている。測定結果はホームページなどで公開する方針。

 23区内では足立区が同区中央本町の区役所南側ある中央公園で、独自に大気中の放射線量を測定している。足立区によると10年ほど前、JCOの臨界事故の際、区民からの不安に応え設置したという。

 地上約1メートルで毎日午前9時に測定しており、25日は毎時0・17マイクロシーベルトと、都の同時刻の毎時0・06マイクロシーベルトに比べ3倍近くなっていた。

 区では「周辺の物質の影響のほか、都は高さ約18メートルで測っており、その違いがあるのではないか。ただ、地上1メートルの方が人間の呼気に近いと思う」としている。