2011年5月20日金曜日

「東電は民間企業と違う」枝野氏反論、債権放棄発言への経済界の反発に

2011.5.19 13:08

 枝野幸男官房長官は19日午前の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所事故の賠償をめぐり金融機関の債権放棄を促した自身の発言に経済界から反発が出ていることについて「被災者への賠償や事故収束への努力継続、安定的な電力供給という3つの公的な目的のために、国として一定の支援を行う限り、(東電は)普通の民間企業と違うのは当然だ」と反論した。

 政府の賠償責任については「国による支援で結果的に原発事故の被害拡大が抑えられれば、その分だけ賠償額が小さくなり、東電の負担が小さくなる」と指摘。「国として今回の事故の責任を東電のみに負担させようとするものではない」とし、賠償額を減らすよう努力していると強調した。

 債権放棄した金融機関にに対する株主代表訴訟が起きる懸念に関しては「ステークホルダー(利害関係者)が民間の立場で判断することだ」と述べた。

 枝野氏の発言をめぐり、東京証券取引所の斉藤惇社長は17日の記者会見で「十分納得できる説明がなければ(金融機関は債権を)放棄できない。統制国家、命令国家ではない」と反発している。