2011年11月2日水曜日

<福島第1原発>キセノン検出確認 「長時間臨界」は否定

毎日新聞 11月2日(水)22時0分配信

 東京電力福島第1原発2号機の原子炉格納容器内で、核分裂によって生じる放射性キセノン133やキセノン135とみられる気体がごく微量検出された問題で、経済産業省原子力安全・保安院は2日、検出されたのはキセノン133と135だったと発表した。また、東電も同日、気体を再度測定した結果、同濃度のキセノンとみられる気体を検出したと発表。保安院は「核分裂反応が起き、キセノンが発生した可能性は高い」と話している。

【キセノンが生じる過程は?2号機の現状も】福島第1原発事故 一時臨界の可能性 2号機、ホウ酸水注入

 東電は、日本原子力研究開発機構に気体の詳細分析を依頼。同機構がキセノンの検出を確認した。保安院は「1、3号機でも同様に核分裂反応が起きている可能性がある」としている。

 東電は、格納容器内の気体を浄化して外部に放出する「格納容器ガス管理システム」(10月28日稼働)を使って1日午後に採取して測定した気体を再測定した。その結果、1回目の測定と同様にキセノン133とみられる気体とキセノン135とみられる気体をそれぞれ1立方センチあたり10万分の1ベクレル程度検出した。

 さらに、2日昼にも気体を採取して測定。同濃度のキセノン135とみられる気体を検出した。キセノン133は検出されなかった。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は会見で「同じ気体から2回検出されたので核分裂が起きた可能性は高い。ただ、核分裂が起きていたとしても小さいレベルで、大量のエネルギーを出している状況ではないので問題はない」と説明。圧力容器の温度や圧力のデータに大きな変化はなく、核分裂が繰り返し起こる臨界が続いた可能性を否定した。

 2号機の格納容器内では、8月にも今回と別の方法で調査を実施。2種類のキセノンがごく微量発生していた可能性があったが、再臨界の可能性は低いとして詳しい測定をしていなかった。

 保安院の森山善範原子力災害対策監は「今後、連続的な核分裂で局所的な臨界が起きたかも含め、専門家の意見も聞きながら確定していきたい」と述べた。【奥山智己、関東晋慈、久野華代】
にほんブログ村 ニュースブログへ