2012年4月26日木曜日

外資による日本の山林買収、TDL22個分にも

読売新聞 4月26日(木)8時16分配信

 外国人や外国法人によって取得された日本国内の山林などの土地が、今月中旬までに少なくとも63件計1103ヘクタールに上ることが25日、読売新聞が47都道府県に行った調査で判明した。

 ただ、外国人が日本企業の名義を借りて買収するケースも多数あるとされ、自治体が把握しているのは「氷山の一角」とみられる。

 調査は先月末から今月にかけて実施。各自治体が把握している外資による土地買収や譲渡の件数と面積を尋ねた。国土利用計画法では1ヘクタール以上の土地を購入した場合の都道府県への届け出を義務付けているが、今回の調査ではそのほかに自治体が把握している譲渡などのケースも対象とした。

 この結果、北海道での土地取得は東京ディズニーランド(51ヘクタール)の20個分に当たる57件計1039ヘクタールで、全国の取引面積の94%を占めた。全体の7割にあたる44件は、取得者が香港やオーストラリアなどアジア・オセアニア地域の法人・個人だった。租税回避地として知られる英領バージン諸島の法人が取得したケースも11件あった。

 こうした外資による土地取得については、「水資源の買い占めではないか」と指摘する声もあり、北海道と埼玉県は、指定した水源地の買い取りについて事前届け出をさせる条例を3月に制定。山形、群馬、福井、長野の4県でも条例化を検討中だ。

 だが、本当の取得者を隠すために日本人の名義を借りているケースも少なくない。札幌市在住の40代の中国人男性は昨秋、北海道ニセコ地区周辺の山林など14ヘクタールを購入したが、登記の際は日本の不動産業者の名義を借りた。

 男性は取材に「本名で購入すると日本人に反発される。日本の土地は今が底値で、いずれ高値で転売できると考えた」と語った。外国人に山林売買を仲介した関東地方の業者も、「実際には『水資源狙い』ではなくても、騒ぎになるので日本人の名義で届け出た方が安心」と話す。外資による山林買収を巡っては昨年5月、国が主に1ヘクタール以上のケースについて2010年までの5年間に40件(計620ヘクタール)あったと公表している。
最終更新:4月26日(木)8時16分
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