2013年2月14日木曜日

雲だって動いてる、絆は愛……愛のあるメール大賞発表

 NTTドコモは14日、「第11回愛のあるメール大賞」を発表した。合計1万3080作品の応募作品からグランプリには山梨県向山萌の「ねー今、顔あげて……」(無題)が選ばれた。受賞者は大賞史上最年少の15歳。

 審査員は秋元康(作詞家)、松本侑子(作家・翻訳家)、丹羽多聞アンドリウ(テレビプロデューサー)、堀北真希(女優)の4名。、グランプリ:1作品、準グランプリ審査員賞:4作品、オーディエンス賞:10作品、入賞:35作品、全50の受賞作品が決定した。

●第11回グランプリ作品
向山萌(15歳、山梨県)
タイトル:無題

ねー今、顔あげて! 
すごい綺麗な夕焼けー
明かりを映す雲だって少しず
つゆっくり動いてるんだよ
だってさ、焦ったら皆に綺麗
な景色を見せてあげられない
でしょ
下を向いてちゃ損する! 
雲みたいにゆっくり焦らずに
で良いんだよ

エピソード…私が進路や学校、恋などに悩んでいたとき友人が送ってくれたものです。見た時、すごく嬉しくなり下を向かずゆっくりでも少しずつ頑張ろうと思えました。


 第11回愛のあるメール大賞グランプリ審査は、一年を表現するような作品が大賞に選ばれるべきだという全審査員の意見で、2012年ロンドンオリンピックに出場した多くの団体種目が、絆の力でメダルを獲得したように、仲間から励まされた、元気をもらった、または、一歩踏み出すことを後押ししてくれた、という内容の作品が、グランプリに選出された。

 秋元は選考中、結婚の条件が父親より娘を愛する人だというメールを読んで、「1人娘がいるが、自分より娘を愛する人なんていない!」と、自身に重ねて作品にツッコみ、審査会場の笑いを誘った。堀北は、短く端的に表現するメールか、しっかり文章が書いてあるメールか、好みを聞かれ、「長いメールの方が安心するので好きです。一言で済まされるより、理屈っぽいメール」と回答。また「大好きなしーへ」を審査中、松本は「こんな言葉、旦那からもらったことない!」と感嘆し、秋元も「友人は奥さんから買い物を頼まれる時、商品名しかメールが来ないそう」と、また笑いを誘った。総評は以下の通り。

秋元康…今年の作品は、感謝の気持ちを伝えたメールが多かったような気がした。比率で言えばそんなに変わらないのかもしれないが、ほっとするような内容が多かったからだろう。作品を読む度に、日向にいるようにほっとした。

松本侑子…暮らしのなかでやりとりするふつうのメールでも、一言優しい言葉を添えると、愛のあるメールになる。そんな何気ない、メールを受けとった人の心が温かくなって、人と人の絆が深まっていく、メールの素晴らしさを感じた。

丹羽多聞アンドリウ…毎日に飛び交っている数億のメールの中にいろんなドラマがあることを改めて知った。目頭が熱くなったり、ほのぼのしたり、優しい気持ちになったりと、審査員なのに逆に良い体験をさせてもらった。

堀北真希…一人で悩んだり、苦しんだりしている時に、愛のあるメールに励まされてまた新たな一歩を踏み出せたというエピソードが多かったように思う。愛のあるメールで、世の中に愛が溢れたらいいな、と思った。



●準グランプリ「秋元康賞」
勝又若菜(25歳、宮城県)
タイトル:無題

牛乳飲まい

エピソード…12月に赤ちゃんが生まれます。つわりがひどく、ちゃんとした食事ができませんでした。そのせいか赤ちゃんがまだまだ小さいんです。心配した主人は毎日のように「牛乳のまい(飲みなさい)」と言ってくれます。

●準グランプリ「松本侑子賞」
タイトル「ひとつだけ」
谷口しほ(29歳、富山県)

父よりあなたを愛する人。

エピソード…初めて父に彼氏を紹介したくて、何気なく『結婚相手の条件は?』と聞いたメールに対する父からの返信。その後、彼氏は父に認められ、旦那様になりました。

●準グランプリ「堀北真希賞」
井出志帆(36歳、東京都)
タイトル「大好きな「しー」へ」

昨日はまるまる1日ありがとう。ごめんね。
洗濯ありがとう。
ご飯ありがとう。
お買い物ありがとう。
カムイのお世話ありがとう。
お風呂も入れないのに
一人で全部大変なのにありがとう。
ずっと一人でさみしいよね、疲れたよね。
それでも文句言わずに
一生懸命頑張ってくれてありがとう。
感謝してます。
丸一日会わなかったのは初めてだね。
今日は昼の12時くらいに帰ります。
9月20日木am3:00 

エピソード…トラック運転手の仕事の旦那からのメール。毎日家事育児を手伝ってくれて、結婚してから会わない日はなかった。初めて会わない1日があった時のメールです。帰宅した時には、私は疲れ果てて寝ていました。そして、また私が起きる前に仕事へ。旦那の方が大変なのに、私の心配をして、とても愛されていると泣きながら読みました。

●準グランプリ「丹羽多聞アンドリウ賞」
梅田純子(36歳、愛知県)
タイトル「家の壁」

家の壁、ピンクから青い壁に
塗り替えしました。
どぅかな。
色々あっても、
気にしないで、帰ってきなさい。
お父さんが、冬なのにバーベ
キューコンロ磨いてます。

エピソード…結婚して2年で離婚になった私。近所のおばちゃん達からもご祝儀たくさんもらったから、実家に帰りづらくて、離婚も辛くて本当は泣いている私に、神奈川県の実家から嫁ぎ先の北海道で1人ぼっちの私に届いたメール。


第11回愛のあるメール大賞
●応募テーマ:人と人、心と心をつなぐメール。
あなたの愛する人や、家族、友達との心に残るメールを募集します。
●募集期間;2012年9月3日(月)~10月31日(水) 
●賞
グランプリ:賞金30万円…1名
準グランプリ/審査員賞:賞金10万円…4名、ほか

 NTTドコモによると、過去11回分の受賞作品の傾向を分析すると、カテゴリ別では親子間のメールが最も多い。また受賞作品の内容を読み解くと、親子や友人というカテゴリに関わらず、相手を思いやり、時には励まし合ったり叱咤激励したりするような、『絆』を感じさせる作品が多いという。

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