2013年3月8日金曜日

北朝鮮制裁決議を採択=金融規制・貨物検査義務付け-全会一致で圧力強化・安保理

 【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は7日午前(日本時間8日未明)、2月に3回目の核実験を行った北朝鮮に対し、制裁を大幅に強化する決議案を全会一致で採択した。北朝鮮との金融取引の規制や貨物に対する検査を国連加盟国に義務付けるなど、強制力を増したこれまでになく厳しい内容で、挑発行為を繰り返す北朝鮮に対し国際社会の断固とした姿勢を示した。

 ライス米国連大使は採択後、記者団に対し北朝鮮が挑発行為を続ければ「制裁はますます厳しくなり、孤立は深まるだろう」と警告。中国の李保東国連大使は、「この決議は(北朝鮮の)核計画に反対する国際社会の新たな決意の表れだ」と強調し、制裁の「全面的履行」を加盟国に求めた。

 常任理事国の米国と中国を中心にまとめた決議は、核実験を「最も強い表現」で非難。国連憲章第7章の下で、決議に法的拘束力を持たせた。

 資産凍結や海外渡航禁止の対象となる団体・個人、禁輸品目の追加指定など既存の制裁を拡大する一方、新たな措置として、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画などに貢献し得る金融サービスの提供や、資産の移動を阻止するよう加盟国に義務付けた。

 また、北朝鮮に関係した貨物に禁輸品の疑いがある場合、加盟国は自国領内で貨物の検査を行うよう義務付けられた。こうした措置はこれまで加盟国への「要請」にとどまっていた。

 このほか、外交官特権を悪用した不法活動を念頭に、北朝鮮の外交官に対する警戒を強めるよう加盟国に要請。安保理決議違反や制裁破りを手助けしたと判断される北朝鮮国籍の人物については原則、強制送還するよう加盟国に義務付けた。(2013/03/08-01:11)

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