2013年4月5日金曜日

電子書籍市場、3年遅れの活況 東芝は独自サービス、楽天は目標公表

SankeiBiz 4月5日(金)8時15分配信

 2010年に「普及元年」とされながらコンテンツ不足などで足踏み状態が続いてきた電子書籍市場が、ここに来て活況の様相を呈し始めた。4日には東芝が独自の書籍配信サービス開始と専用端末の投入を発表。楽天も同日、電子書籍事業で16年に売上高500億円を目指す目標を初めて公表した。昨年11月に日本に上陸した米アマゾン・ドット・コムの端末「キンドル」の存在が、国内メーカーの競争心に火を付けたようだ。

 東芝はこれまで、凸版印刷グループのブックライブと協業で電子書籍事業を展開してきたが、市場拡大を見込み、独自サービスに乗り出す。

 4日から配信サービス「ブックプレイス クラウド イノベーション」を開始。米グーグル「アンドロイド」、米アップル「iOS」を搭載した端末で閲覧でき、書籍数は夏までに10万冊を見込む。今月16日には電子ペーパー搭載の専用端末「ブックプレイス モノ」を発売。画面サイズ6インチ、重さ180グラムという手軽さがウリで、夏をめどに音声合成技術を使った日本語読み上げ機能も追加する予定だ。

 一方、楽天は4日に都内で電子書籍事業の説明会を開催。20年の国内市場規模を1兆円と想定したうえで、「5000億円超をうちで占めたい」(三木谷浩史会長兼社長)と意欲を示した。16年時点の売上高目標は500億円。書籍の電子化費用の一部を楽天が出版社に支払うことで、コンテンツ数の早期増加を図る。現在、ベストセラー上位1000冊のうち、電子書籍端末「コボ」向けに電子化されるのは5割程度だが、今夏には8割に増やす考えだ。また、年内にコボの新機種を開発することも示唆した。

 電子書籍市場をめぐっては、3月にアップルが書籍販売サービス「iBookstore(アイブックストア)」を日本でも開始。昨年11月には世界最大のシェアを誇るアマゾンが日本に進出、ソニーもほぼ同時期に端末「リーダー」の新機種を投入するなど、競争が激化している。

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