2013年8月25日日曜日

はだしのゲン閲覧制限 文科相が理解示す

 松江市教育委員会が、市立小中学校に漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を求めた問題で、下村博文文部科学相は21日の会見で、市教委の判断を「違法ではなく問題ない」と述べ、理解を示した。閲覧制限は、表現の自由を制限するとして異論や批判が出ており、発言は波紋を広げそうだ。
 閲覧制限を求めた背景には、作品中に首をはねたり女性を乱暴する場面があるため。下村氏は、過激な描写と指摘される部分を確認したとし、「小中学生が必ずしも正しく理解できない描写と考える人もいるかもしれない」「誤った解釈をしないよう、教員と一緒に学習しようとの考えと聞いている」と指摘。作品全体のメッセージを読み解くことが重要との批判があることには「だからといって露骨な描写があっていいわけではない」と反論した。
 これに対し、原水爆禁止広島県協議会の代表委員を務める被爆者の片山春子さん(83)は「はだしのゲンは、本当にあったことを表現している。それを自由に読ませないというのはおかしい」と、憤った。
 一方、同じ安倍内閣の稲田朋美行政改革担当相は、「自由な言論、表現の自由の確保は民主主義の基盤。憲法的な自由は最大限確保されるべきだ」と述べ、下村氏とは異なる認識を示した。市教委は今日22日、閲覧制限要請の撤回も含めて、対応を再協議することになった。
 [2013年8月22日7時35分 紙面から]
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