2010年11月27日土曜日

年金のゆくえ

平成22年度補正予算の成立を受け、政府は23年度予算案の編成作業を本格化する。 財源難から予算の大幅な絞り込みは避けられず、子ども手当などのマニフェスト(政権公約)政策をどこまで実現するかや基礎年金の国庫負担割合を50%に維持するための財源確保が焦点となる。

 「新成長戦略の本格稼働や経済活性化、国民生活の安心につながる予算にしたい」。 野田佳彦財務相は26日の閣議後記者会見でこう述べ、2度目となる「民主党予算」の編成に強い意気込みを示した。だが、課題は山積だ。

政府は6月決定の財政健全化計画で、23年度予算は国債費を除く「歳出の大枠」を約71兆円以下、新規国債発行額を約44兆円以下に抑えることを決めた。 目標達成には国債費を除く約72兆6千億円の概算要求から1兆6千億円もの予算を絞り込む必要がある。

政府は社会保障費の自然増分1兆2500億円の計上を認める一方で、事業仕分けによる削減効果は3千億円程度にとどまる見込みで、「相当切り込まないと健全化目標の達成は難しい」(財務省幹部)。

焦点の一つは公約政策だ。子ども手当は3歳未満の子供に限って月1万3千円を2万円に引き上げる方針が固まったものの、 増額には年間約2500億円が必要で、支給対象全体に所得制限をかけようと狙う財務省に対し、厚生労働省が反発を強める。

国土交通省は高速道路無料化に関する要求額1500億円の半分を、省庁横断で予算配分する「特別枠」(1兆3千億円)で求めたが大幅絞り込みは必至。公約修正につながる予算カットは党内の批判を招く可能性もある。

もう一つの焦点は基礎年金の国庫負担の財源。国庫負担割合を50%に維持するために活用してきた特別会計の「埋蔵金」は22年度でほぼ枯渇し、「50%維持」には別に2兆5千億円が必要だ。 国庫負担割合を維持し続けるには、結局のところ財政健全化計画のタガをはずす国債増発か、消費税の税率引き上げかの選択を迫られることになる。

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