2011年2月14日月曜日

元保安官「国民のため判断」=尖閣ビデオ流出で講演―東京

(時事通信社 - 02月14日 17:03)

 沖縄・尖閣諸島沖の漁船衝突のビデオ映像流出事件で、起訴猶予となった一色正春・元海上保安官(44)が14日、東京都内の日本外国特派員協会で講演し、「(映像を秘密にするのが)政府の命令だが、国のため国民のための観点から判断し、今回の行動に及んだ」と述べた。

 参加者から、内部告発サイトのウィキリークスとの違いを問われると、元保安官は「政府側で働いていたから、隠さなければならない秘密があるのは理解している」と強調。その上で「今回の件は(秘密でない方に)ボーダーラインをはるかに超えていたと私が勝手に判断した」と説明した。

 動画サイト・ユーチューブへの投稿が注目されなかった場合「次の策を考えていたが、まねする人が出たら困るので言わない」とはぐらかした。

 会場にいた石原慎太郎都知事が「愛国的な行動に敬意と感謝を表す。退職したのは残念」と持ち上げると、元保安官は「退職は組織のルールを破ったけじめなので後悔していない」。「英雄やヒーローと言われるのは間違い」とも述べた。