2011年7月16日土曜日

宮城でも汚染稲わら=県、牛肉モニタリング検査へ

時事通信 7月15日(金)18時9分配信

 宮城県は15日、同県栗原市と登米市の肉牛農家3戸が保管していた稲わらから、1キロ当たり1632~3647ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。国の暫定規制値は同300ベクレルで、検出値は国に合わせて水分を含んだ状態に換算するとその1.2~2.7倍に相当する。うち1農家は生後10~25カ月の牛に稲わらを与えていたが、出荷はされていなかった。
 これを受け、県は福島第1原発事故以降に収集された稲わらを与えた肉牛の出荷を自粛するよう県内肉牛農家915戸に要請するとともに、県内の食肉処理場で解体された県産牛肉についてモニタリング検査を実施することを決めた。
 稲わらの放射性物質測定は、肉牛農家が多い県北を中心に実施。3農家では保管していた稲わらすべてで国の規制値を上回る放射性セシウムが検出された。稲わらは昨秋に稲を刈った後、田の上に置いてあったが、飼料にするため今年3月下旬から4月上旬に集めたという。
 県は5月から牧草の調査を開始し、暫定規制値を超えた地域は牧草の利用と放牧を自粛するよう県内の農家に要請していた。ただ、関係団体を通じて配布した資料では「粗飼料の自粛」を呼び掛けたものの、「稲わら」という言葉は使っていないという。県は「稲わらの自粛は周知が徹底されていなかった恐れもある」としており、餌として与えられた牛が出荷された可能性も否定できないとみている。(了)

栗原(くりはら)、登米(とめ)