2011年10月27日木曜日

<北朝鮮>平壌市民に日本出身者6500人

毎日新聞 10月26日(水)19時39分配信

 韓国誌「週刊朝鮮」が入手した北朝鮮の国家安全保衛部が05年に作成したとされる平壌市民210万8032人(17歳以上)の住民データの中に、日本出身者が約6500人、日本国籍者も86人含まれていることが分かった。多くは帰還事業で渡った人とみられるが、一般市民に区分された中には、63年に石川県沖で出漁中に行方不明となり、現在平壌で暮らす寺越武志さん(62)とみられる名前もある。週刊朝鮮は、日本人拉致被害者がいないかも含め調査・分析を進めている。

 週刊朝鮮によるとデータは電子化され、氏名や生年月日、職位、血液型など多岐にわたる。中国との国境地域で対北朝鮮情報筋から入手したという。北朝鮮の膨大な住民データの流出が明らかになるのは今回が初めて。

 日本出身者や日本人の場合、「故郷」欄に「兵庫県神戸市長田区」といった地名や、別名として日本名がハングルで記載されていた。

 戦前から60年代までの生まれが多く、研究所や工業系の職場が目立つ。対外工作機関とされる「連絡所」勤務の人もおり、日本国籍者86人のうち男性は14人のみ。中には朝鮮労働党員も21人いた。

 一方、寺越さんは63年に叔父2人と共に出漁中に行方不明となったが、87年に届いた手紙で北朝鮮での生存が判明。寺越さんとみられる男性は、故郷が北朝鮮の平安北道(ピョンアンプクド)だが、現地で使う名前や職位などが一致するという。

 日本人拉致被害者支援団体「救う会」の西岡力会長は、「昨年からデータの流出がうわさされていた。86人は日本人配偶者とその家族の可能性が高いが、膨大な個人情報の流出自体、北朝鮮の統制の緩みを如実に示している」と話している。
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