2013年7月16日火曜日

<みかじめ料>返還求め提訴 「暴力団トップに責任」

毎日新聞 7月16日(火)15時0分配信

 指定暴力団山口組弘道会(本拠・名古屋市)の傘下暴力団にみかじめ料を払っていた飲食店経営の女性が16日、「暴力団の威力を背景に財産を侵害された」として、山口組トップの篠田建市(通称・司忍)組長と傘下暴力団組長を相手取り、過去に支払ったみかじめ料など計1735万円の賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。2008年の暴力団対策法の改正で、暴力団トップの使用者責任が問えるようになって以来、みかじめ料を巡る民事訴訟の提訴は初めてとみられる。

 みかじめ料は暴力団の重要な資金源となっている。訴えが認められれば、同種訴訟が全国に広がる可能性がある。トップに責任が及ぶことで末端組員のみかじめ料要求行為を萎縮させる効果も期待できるため、暴力団に大きなダメージを与えると注目される。

 傘下暴力団は稲葉地一家(松山猛善総長)。松山総長は昨年11月、女性からみかじめ料を脅し取ったとして、恐喝罪で起訴されている。

 訴状によると、女性は1998年7月から名古屋市内でクラブを経営。開店直後から稲葉地一家にみかじめ料を要求され、月3万~10万円を支払ってきた。08年に店を移転したのを機に支払いを拒否しようとしたが、松山総長に「どこに行っても支払わなきゃいけない。そんなこと言っとったら放火されるぞ」などと脅されたという。10年の愛知県暴力団排除条例制定をきっかけに関係を絶ったが、それまでに支払った総額は12年間で約1000万円に上るという。脅迫で被った精神的損害に対する慰謝料500万円なども合わせて請求した。

 改正暴対法は、組員が「暴力団の威力を利用した資金獲得行為」で他人の生命、財産を侵害した時、トップの賠償責任を問えると定めている。女性側は、みかじめ料要求がこれに該当すると判断した。

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