2013年1月3日木曜日

2013年1月1日の朝刊6紙から2013年を読む。

 元日の新聞記事で、その一年を読むことを楽しみにしています。

 以下、六紙(朝日、東京、毎日、日経、読売、産経)の記事を、見てみます。

 独断と偏見で元日一番の記事は、東京新聞のコラム筆洗。
 今年は、田中正造生誕100年 
 田中正造曰く「真の文明は山を荒さず川を荒さず村を破らず人を殺さざるべし」


 あと、昨日12/31の日経新聞一面のスクープ記事「築地市場移転延期」に対するおっかけ記事が各紙社会面に掲載されていました。

*参照
 2012年1月1日http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/9fb98ef88d59ab808969f6c396621bfa
 2011年1月1日http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/4c09f70b97decbb7da7e7148ec152052
 2010年1月1日http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/a970d3845515c8c0633468a3269da4ab
 2009年1月1日http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/18c3c4feb2a3e29088dbce3d7b71c997
 

→は、小坂の感じたこと

<朝日新聞>
1)1面
*連載記事:ビリオメディア 新しい取材方法 挑戦しました

つぶやくながら現場歩いた

*原発近くの住民への国給付金 辞退、福島事故後に倍増

2)コラム天声人語
「言霊(ことだま)の幸(さきわ)う国」は3種の文字を持ち、ゆえに三つの幸福がある。
『幸せ」と「しあわせ」と「シアワセ」は同じようで微妙に違う。
シアワセ:冷えた五感に熱燗の一杯がじんわり広がるとき。
しあわせ:赤ちゃんの寝顔に見入る父さん、母さん、といったところ
幸せ:人生航路の順風
年の初めの幸せを喜び、気分新たに歩み出したい。


3)社説 「混迷の時代の年頭に 「日本を考える」を考える
 「(国境を越える資本や情報の移動などによって)国家主権は上から浸食され、同時に(国より小さな共同体からの自治権要求によって)下からも挑戦を受ける」白熱教室で知られる米ハーバード大学のマイケル・サンデル教授は17年前の著書「民主政の不満」でそう指摘していた。これから期待できそうなのは、国家が主権を独占しないで、大小の共同体と分け持つ仕組みではないかという。
 時代はゆっくりと、しかし着実にその方向に向かっているように見える。
 国以外にプレーヤーが必要な時代に、国にこだわるナショナリズムを盛り上げても答えは出せまい。国家としての「日本」を相対化する視点を欠いたままでは、「日本」という社会の未来は見えてこない。

→日本を相対化する視点を説いています。
 好感をもっているひとが多いように感じました。

SUGAWARA, Taku ‏@sugawarataku
朝日新聞社説:混迷の時代の年頭に―「日本を考える」を考える http://www.asahi.com/paper/editorial.html …

T. Tanaka ‏@jeonjung
朝日の社説はいい指摘だな。

Kazuto Suzuki ‏@KS_1013
「国家の相対化」なんてサンデルに言われるまでもなく、20年前から国際関係論で言われてきたこと。日本の(というか朝日の)グローバル化に対する感度の低さを問題にすべきだろうな。 / 混迷の時代の年頭に―「日本を考える」を考える http://t.asahi.com/98nq


4)注目記事
*築地市場の移転延期 都方針 
 浄化する土の量が予測された約30立方メートルから約4割増える。





<東京新聞>
1)1面 
*原発マネー 保育まで
 住民サービスに278億円 ハコモノ維持 財政圧迫

*ドナルド・キーン 東京下町日誌


2)コラム筆洗
今年は田中正造没後百年。
五年ぶりに再登板した安倍政権は自らの原発政策への反省や検証もないまま、民主党政権が決めた二○三○年代に原発ゼロという方針を覆し、原発の新増設さえ視野に入れる。正造が生きていたら、「加害者がなにを言う」と一喝するだろう。

新年に当たり、もう一度かみしめたい言葉がある、

「真の文明は山を荒さず川を荒さず村を破らず人を殺さざるべし」


3)社説  人間中心主義を貫く
 日本の新聞の歴史で最も悔やまれ、汚名となっているのは満州事変を境にしてのその変節です。それまで軍を批判し監視の役割を果たしていた各紙が戦争拡大、翼賛へと論調を転換させたのです。国民を扇動していったのです。
 その中で時流におもねらず敢然と戦ったジャーナリストといえば東洋経済新報の石橋湛山でした。帝国主義の時代にあって朝鮮も台湾も捨てろと説いた「一切を棄(す)つるの覚悟」や「大日本主義の幻想」は百年を経てなお輝く論説です。イデオロギーではない戦争否定の理念、ヒューマニズム、学ぶべきリベラリストでした。
 湛山の非武装、非侵略の精神は日本国憲法の9条の戦争放棄に引き継がれたといえます。簡単には変えられません。


4)注目記事
*「築地」移転1年延期 都方針 土壌汚染間に合わず

*原子力政策 どう進む
1-3月 原発敷地内の断層調査

3月まで 原発事故の地域防災計画作り

7月 原発の新たな安全基準の検討

7月 改正原子炉等規制法の施行

9月まで 関西電力大飯原発の3、4号機が定期検査入り
     →再び原発ゼロに?


*本音のコラム 鎌田慧
 この地震列島に原発をもちこみ、五十四基も建設させたのは、わたしたちの無知だった。核廃棄物は、十万年後の子孫まで恐怖させる。原発は、瞬間的な快楽だった。道徳的な頽廃(たいはい)だった、と気づいたいま、犠牲を子孫にまで先送りするのはやめよう。脱原発は歴史的真実である。





<毎日新聞>
1)1面 
*原発10基超 防火に不備
 経産省が調査開始
 可燃性ケーブル使用


*2年ぶり温かい我が家
    福島・川内村 5泊限りの正月特例

2)コラム余録
 正月飾りのうち、ゆずり葉は、子々孫々に命が受け継がれることを祝う縁起物である。
 「ゆずりはややがて若葉に玉の春/ 如葉」
 ならば私たちは子や孫にどんな世を譲り渡せるのだろうーそう繰り返し問わねばならない2013年が明けた。

3)社説 骨太の互恵精神育てよ
 パイの配分と平和の継続。時代は互譲の裏付けのある骨太の互恵精神を求めている。

 パイの配分:若い人たちを生かすことが社会全体の活力につながり、めぐりめぐって高齢者層の利益なる。全体のパイが増えなくてもそんなプラスの配分サイクルはできないか。

 平和の継続:安直な排外主義を排し、大局的な国際協調路線に立ちたい。尖閣を巡る一連の経緯。例えば、中国は公船の派遣をやめる。日本も外交問題はあることまでは認め話し合いのテーブルにつく。両国首相の知略と勇気に期待したい。


4)注目記事
*築地市場の移転 都が一年延期へ 土壌汚染対策難航

*アウンサンスーチー ビルマからの手紙

*領土対立各地で


<日経新聞>
1)1面
*連載記事:アジア跳ぶ
世界の5割経済
沸き起こる中間層 2050年GDP8倍
日本、ネジ巻き直そう

*アップル、日本で電子書籍
月内にも 講談社などと大筋合意

2)コラム春秋
聖書の一節「わたしたちがあなたがたをつかわすのは、羊をおおかみの中におくるようなものである。だから、へにのように賢く、はとのように素直であれ。」
へびの賢さ:すでにある国や社会の基準から自由になれとそそのかす蛇は、賢い
はと:人は突っ張ってばかりいられないから、イエスは鳩になることも求めた。
賢さと素直さ、主体性と協調性、いつの世にも欠かせぬ2本の心棒だ。
でも、揺らがない蛇の賢さがより貴く思えるのはなぜだろう。
国、社会の姿勢がいよいよ判然としなくなっているからだだろうか。

→私は、日経の春秋に同調しません。ヘビより鳩が大切な一年だと個人的に思います。


3)社説 目標設定で「明るい明日」切り開こう
 まず大事なのは目標を定めることだ。
 経済再生のための目標:国民総所得(GNI)という指標を新たな物差しにしてみてはどうだろうか。GDPに海外投資の利益を加えたのがGNIだ。11年度の名目GNIは488兆円で、名目GDPの473兆円を3%上回る。

 国家の目指すべき方向:ひとつの提案は「科学技術イノベーション立国」の勧めである。日本は今や、生命科学や先端材料などいくつかの分野で間違いなく世界をリードする。

 社会の目標:東日本大震災をきっかけに高まった共助の精神も忘れてはならない。


→「科学技術イノベーション立国」は、同感である。医療分野の薬剤・ワクチンや医療機器・診断機器は、ぜひ、世界に輸出する力をつけたいものである。


4)注目記事
*殻をやぶれ
 復興へ進める歩み
 少子化時代 変える育児

→正月から、駒崎氏登場。

松井孝治 ‏@matsuikoji
お、駒崎弘樹さん( @Hiroki_Komazaki )登場。 日経新聞『2013年殻を破れ 新しい舞台を見つけた日本人たち』http://www.nikkei.com/article/DGXDZO50157550Z21C12A2M11301/ …

shinji kojima ‏@acmshinjikojima
@Hiroki_Komazaki 記事、拝見しました。同年代として、刺激を受けます。駒崎さん以外の方の記事も読んで「社会は変わらない、わけはない」というメッセージが特集記事から感じ取れました。今、こうして抱いた感情を忘れることなく、これからの日々を過ごしたいと思います。
 


<読売新聞>
1)1面 
*農水機密 サイバー流出か
 TPPなど20点
 韓国経由で攻撃

→以前元日の記事も、サイバー関係の記事ではなかったかな?

*ミャンマー武装勢力地域
 日本兵遺骨調査へ
 民主化契機

2)コラム編集手帳
 「編集手帳」は伝言板に似ているようである。どこかの、見知らぬあなたにー。今年モ、片隅ノ、コノ場所デ、待ッテルヨ。


3)社説 政治の安定で国力を取り戻せ 成長戦略練り直しは原発から
 夏の参院選後、次の国政選挙まで最大3年、次期総裁選まで2年あまりある

 衆院選で大勝した政権が、民意の揺り戻しによって、次の参院選で敗北するケースが続いている

 真っ先に取り組むべき課題は、経済再生と成長力回復だ。

 社会保障と税の一体改革に沿って、消費税率を来年4月に5%から8%に引き上げられるかどうかは、今年秋に政府が判断する。

 鉄鋼業界は、関電などの電力料金値上げで900億円を超える負担増になると試算している。
 原子力規制委員会が新たにつくる安全基準に従って安全性を確認した原発は着実に再稼働していく必要がある。

 日米原子力協定によって、日本には核兵器にも転用できるプルトニウムの保有が認められている。

 米国主導で自由貿易を推進するTPPは、今年中の交渉妥結を目標としている。
 首相は、早期に参加を表明すべきである。

→読売新聞は、どうも自民よりの論調の気がする。
 もう少し、批判精神をもって書かれるべきではないかと感じる。
 政党の政策宣伝紙の域は超えて行かねばならない。
 

4)注目記事
*「築地」移転1年延期 都が方針 土壌汚染対策に時間


*五代目 歌舞伎座



<産経新聞>
1)1面
連載記事:新帝国時代 2030年のアジア 中国の野望にくさび打て


2)コラム産経抄
 明治から昭和にかけて活躍した地理学者にしてジャーナリスト、志賀重昂(しげたか)。
 明治27(1984)年に出版され以来、今日までロングセラーを続ける『日本風景論』の著者として知られる。
 ただ、「領土を守る」という当たり前の主張をしただけで、「タカ派」や「右傾化」のレッテルを貼る、今の日本の風潮にあきれはてるに違いない。

→東京新聞のコラムで、田中正造が安倍首相に、「正造が生きていたら、「加害者がなにを言う」と一喝するだろう。」というかどうかは、生きていたらの話をいっていて証明がその点でありませんが、同様に産經新聞のコラムで、偏狭なナショナリストでない志賀重昂(しげたか)が、生きていたらと仮定して、「「領土を守る」という当たり前の主張をしただけで、「タカ派」や「右傾化」のレッテルを貼る、今の日本の風潮にあきれはてるに違いない。」かどうかは不確かであるにも関わらず、「あきれ果てるに違いない」と言い切っています。
 さて、東京、産経を信じるかどうかは、私たちのメディアリテラシーが求められています。
 ひとつ言えることは、産経に書かれていますが、「当たり前の主張」であれば、「タカ派」や「右傾化」のレッテルを貼られることはないだろうけど、「当たり前の主張」でないところが、問題なのではないでしょうか。例えば、「自民党の憲法改正案」は、果たして当たり前の主張といえますか?


3)社説 年の初めに 長期安定政権で国難打破を 論説委員長 中静敬一郎
 米本土に向かうミサイルを自衛隊が迎撃するための集団的自衛権の解釈見直しは待ったなしの課題である。

 諸外国は主権を侵害する不法行為に対し、部隊を自衛する「平時の自衛権」とされる排除行動をとれる。だが、日本は自衛権の行使を「他国による計画的、組織的な武力攻撃を受けたとき」などと限定しており、平時の自衛権を認めていない。憲法第9条による「武力行使と一体化しない」とする解釈があるためだ。国の守りに「大穴」が開いていることは顧みられなかった。

 国民も目が肥えている。脇の甘さと緩みは命取りだ。中国の思想家、荀(じゅん)氏は、民を水に、為政者を舟に例えて、こう警告していることを年頭の戒めにしたい。
 「水はすなわち舟を載(の)せ、水はすなわち舟を覆(くつがえ)す」

→上記、憲法解釈は、あくまで、産經新聞によることに注意したい。
 原状が、国の守りに「大穴」とまで言い切れるだろうか。


4)注目記事
*築地計画 1年延期  東京都、土壌汚染対策工事に時間
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